いまやYouTubeに動画をアップして広告収入を得る「ユーチューバー」は、サッカーや野球のプロ選手と並ぶ子どもたちのあこがれの職業の一つとなっています。つい先日も、ユーチューバーのマネジメント会社「UUUM」が上場し、初値は公開価格の3.3倍がつきました。多数の人気ユーチューバーを擁し、2017年5月期の売上高は70億円、経常利益は3億5000万円と、高い収益を上げています。
名古屋オーシャン野球教室の子供たちもYouTubeを見ている子は結構いるのではないでしょうか?
“明暗が分かれた、ヒカキンとヒカル”
日本人ユーチューバーを語るときに、欠かせない2人がいます。1人目が「日本一のユーチューバー」とも評されるヒカキンです。スーパーマリオを口から出す音だけで見事に再現する「ヒューマンビートボックス」は見事なものです。現在の再生回数は3950万回とケタ違いです。ヒカキンのYouTubeチャンネル” HikakinTV”の登録者数は500万人。ゲーム専門のサブチャンネルなどを持ち、いまやテレビ局並みの情報発信力があります。2人目が昨年来、急速に存在感を増してきたヒカルです。半分金髪で半分黒髪という強烈なインパクトのビジュアルを武器にするヒカル。関西風の独特なイントネーションでマシンガンのようにしゃべり倒すヒカルは、斬新な企画を次々と立てて一躍人気者になりました。伝説となった「祭りくじ」動画がアップされたのは2016年8月。
祭りクジの店でクジを全部買い占め、当たりくじがないことを暴いた一部始終を公開した動画は1700万回、関連動画を含めれば数千万回再生されました。ヒカルはユーチューバーの中で最も勢いがあり、いつかヒカキンを追い抜くのではないかと思われていました。そのヒカルが9月4日、無期限活動休止を発表し、個人の価値を価格付けして売買するインターネット上のサービス「VALU」で保有する数%を放出すると、価格はみるみる上昇し、ある日特典を付けることをほのめかすとさらに高騰しました。そのタイミングで彼は大量に自分の持ち分を売却、数千万円の利益を得ました。価格はその途端に暴落、買った人たちは含み損を抱えてしまいました。ヒカルは自己株買いを表明して買い戻したもののネットではたたかれ続け、活動停止に追い込まれました。
明暗が分かれたヒカキンとヒカル。ヒカルがどこで道を間違えたのか、その検証は専門家の分析に譲りたいが、転落のきっかけになったのがVALUだった点に注目してみたいと思います。VALUはSNS上での人気を指標にして「自分という商品の価値」を見える化する仕組みになっています。ITでいま最も注目を集めるサービスのひとつなのです。「自分という商品を高く売ろう」と現代ではそう言った流れがあります。VALUはまさに「自分という商品の売り方」が問われる時代に入りつつあることを象徴していると思います。
ヒカキンとヒカル、この2人がユーチューバー市場で「自分という商品」を高く売り続けてきた事実は変わりません。億単位ともいわれる年収を夢見て、第2のヒカキン、ヒカルを目指す者も多いのではないでしょうか。しかし、トップユーチューバーへの道のりはとても険しいです。
子供たちもユーチューバーに憧れる子も少なくありません。名古屋オーシャン野球教室でもYouTube進出を考える事もありますが、実現するかは未定です。
“ヒカキンはなぜ日本一になれたのか?”
世の中には同じことをしているのに「稼げる人」と「稼げない人」がいます。せどりにせよ、ユーチューバーにせよ、ヒカキンやヒカルのように「稼げる人」はいるものです。いったいその差はどこにあるのでしょうか?
ユーチューバーになるのは簡単です。スマホがあれば動画の撮影とアップはすぐにできます。せどりも同じで、本を仕入れてアマゾンやメルカリで売るぐらい誰でもできます。つまりユーチューバーもせどりも参入障壁が極端に低いのです!すぐにできるからこそ、「自分も稼ごう」と思う人は多くなり、過剰な競争を強いられるかたちにります。しかし、成功して実際に食えているユーチューバーはごく一握りであり、ヒカキンやヒカルのように億単位の収入を得て大成功する例はさらに少ない。サッカーや野球のプロ選手のように、晴れ舞台で脚光を浴びるのはごく一部しかいない「超競争市場」なのです!超競争市場で必要なのは、「圧倒的な差別化」です。つまり、個人には「圧倒的な強み」が求められるということです。
ヒカキンの「圧倒的な強み」はヒューマンビートボックスです。もちろん、生まれ持った才能だけではありません。中学2年のときに、テレビCMでヒューマンビートボックスに出合い、「神だ!」と思ったといいます。朝から晩まで楽器になりきり、自己流で練習にのめり込んだそうです。高校1年のとき、次に出合ったのがサービス開始直後のユーチューブでした。ヒカキンはユーチューブにも夢中になり、2006年12月には”HIKAKINチャンネル”を開設しました。すぐに成功したわけではありません。高校卒業後、彼は上京して会社の寮に入りました。スーパーの販売員をしながら、仕事以外の時間はすべて、ヒューマンビートボックスとユーチューブに身も心も捧げる生活を続けました。そして、ヒカキンは満を持してユーチューブで広告収入を得ようと「パートナー」の申請をしました。ところが、これが却下されてしまいます。これがバネとなって「ユーチューブ側からオファーされるようになってやる!」と考えるようになり、視聴者側の視点に立った動画作りを心掛けるようになりました。2010年6月、ヒカキンは冒頭で紹介したスーパーマリオのビートボックスを公開し、これが24時間後に20万アクセス、1週間後に100万アクセスを記録しました。ついにユーチューブ側からパートナーシップ参加のオファーが来ました。夢中になってワザを磨き続けたヒューマンビートボックスという「圧倒的な強み」に、視聴者目線で改善を続けた動画作りが合わさることで、初めて「日本一のユーチューバー」が生まれたのです。
人は夢中になると次々と難しいワザに挑戦して、誰もまねできない「技術」を身に付けます。ヒカキンはヒューマンビートボックスで、世界的なロックバンドのエアロスミスとの共演まで果たしています。
人は「面白くて仕方がない」と、どんなことからでも学ぶことができます。スーパーの食品売り場で販売員をしていたとき、ヒカキンは仕事で手を抜かなかったそうです。買い手の立場で商品のラインナップを考え、新商品を試し、商品を売るためのPOPを作ったそうです。この経験から得た「技術」や「知識」が、見る人の視点に立った動画作りや、商品紹介でとても役立っているといいます。
名古屋オーシャン野球教室でも、相手の立場になって考えることの大切さや、指導者も子供が何を求めているかを考えて話しています。自己を中心に考えてしまうと失敗してしまいます。常に相手や周りをみて行動する事が大切です!
“「個人の強み」は、「才能」「技術」「知識」の3つの要素のかけ算から成り立っている。”
「才能」は、誰もが持つ先天的な資質です。一方で「技術」と「知識」は、仕事で後天的に身に付けることができます。ヒカキンはヒューマンビートボックスや動画作りに夢中になり、ひたすら磨き続ける一方で、会社員としてもユーチューバーに必要な「技術」や「知識」を身に付けました。
「技術」や「知識」は、仕事の中でこそ身に付くものだと思います。「個人の強み」を高めないかぎり、ユーチューバーのような超競争市場で勝てないでしょう。
“参考になる、久保田弁護士の事例”
あなたも稼げるユーチューバーになれるだろうか?答えはイエスです!あなたがユーチューバーの仕事に夢中なのであれば、今は「個人の強み」を持たなくても、「面白くて仕方がない」と、今の仕事から「技術」や「知識」を身に付けてあなただけの強みに育て上げることで、きっとユーチューバーになれるでしょう。ポイントは「個人の強み」を生かしたうえで、視聴者側のニーズに特化することです。
人気の弁護士ユーチューバーの久保田康介氏のやり方は参考になります。ITの知識も生かしながら、あらゆる事件に弁護士ならではのコメントを付けるという手法です。弁護士とITという自分の強みを生かし、相乗効果で圧倒的な差別化をしている好例でしょう。ちなみに彼はVALU騒動でのヒカルの対応についても動画でコメントしています。久保田氏もユーチューバーで食っているわけではありません。弁護士としての専門の仕事を持っています。「個人の強み」がないところで副業にいくら励んでも、「あなたという商品」へのニーズはありません。「あなたという商品」をどのようにつくればいいのか?役立つのがマーケティング戦略の考え方です。マーケティング戦略とは「商品の価値を高める方法」を体系化したものです。つまりマーケティング戦略の考え方を使えば、「あなたという商品」の価値を高めることができます。あなたに商品力さえあれば、ユーチューバーになれなくても、別の分野で必ず成功できるはずです。
子供時代は特に個性をいっぱい磨いて、将来の強みにしてもらいたいと思います。そのためには、今の名古屋オーシャン野球教室でいろんな経験を積み、色んな子と出会い、刺激を受けてほしいです。