歯の持つ意味

 みなさんは、歯はなぜ生えているの?と聞かれたら何と答えますか?「食べ物を食べる為」と答える人が多いのではないでしょうか。もちろんそれも正解です。ですが、他にも様々な役割があります。

  • 食べ物を咀しゃくする

食べ物をしっかり咬みくだき、栄養の吸収を助け、胃腸への負担をやわらげる。

  • 食事を楽しむ

「歯ざわり」「咬みごたえ」などの感覚によって味覚を助け、食事の楽しさを広げる。

  • 異物をより分ける

硬い物などの異物を咬む感覚で見つけて、体内に取り込まれるのを防ぐ。

  • 発音を助ける

唇や舌の動きを助け、正しい発音をサポートする。

  • 表情を豊かにする

正しい歯並びや咬み合わせによって顎の骨の成長が促され、表情を豊かにする。

  • 瞬発力を生み出す

奥歯をきちんと咬みしめることで全身の筋肉のバランスが整い、瞬発力を発揮させる。

このように毎日の暮らしに不可欠な役割を担っています。

一本でも無くなると…

 大臼歯(奥歯)が1本なくなっただけで、ものをかみくだく能率は約40%も低下するといわれています。このため、消化器官に負担がかかり、栄養の吸収が悪くなるという悪循環が生まれます。

 また、上の前歯が抜けるとサ行、奥歯が抜けるとハ行、ラ行が発音しにくくなって、言葉が不明瞭になったり、顔の輪郭が変わって、表情が老けて見えたりするそうです。

歯を失った口元にはシワができやすくなり、よりその印象を強めてしまいます。見た目が気になることで、外出したくなくなってしまう方も少なくありません。歯を失うと、こういったさまざまな要素が重なって老化を早めてしまうことになるといわれています。

噛むことって…

咀嚼回数が減ったことにより、現代人のあごは昔の人に比べ、小さくほっそりしてしまいました。その影響で、最近の発育期の子どもたちは、永久歯が生えるスペースが不足し、歯並びが悪くなったり、噛み合わせが安定しない「咬合異常」になりがちです。さらに大人になって第三大臼歯(親知らず)の生え方の異常により、抜歯せざるをえなくなる場合もあります。

 そうならないためにも、強く、しっかりしたあごをつくる必要があります。離乳食の頃から歯の発育にあわせた、よく噛んで味わうことのできるメニューを考え、また、加熱時間を加減して適度な歯ごたえを残すようにします。さらに、しっかり噛むことができる丈夫な歯をつくるために、カルシウムやたんぱく質を充分にとることを心がける必要があります。

 もちろんよく噛むことが大切なのは、お年寄りも同じです。自分の口に合う義歯(入れ歯)の装着により、よく噛む食事をすることが、認知症、いわゆるボケを防ぐといわれているそうです。

このように、噛むという作業は、健康のためにとても大切なことで、またそのためにも丈夫な歯をもつことが大切です。

噛む事の意味

先程言ったように、噛むことで、食べものの味や食感等、様々な感覚情報が脳に伝えられ、脳が活性化します。よく噛むことで、脳の思考や学習等をつかさどる部位も活性化し、高齢者の記憶や認知機能が維持・向上するという研究結果もあります。

また、食べものを噛むことにより、神経系ホルモンが働き、ホルモンが脳の視床下部にある満腹中枢に届くと、満腹信号となって満足感が得られます。よく噛むことによって、より少ない量で満腹感を得られることがわかっており、食べすぎによる肥満予防、ひいては生活習慣病の予防にもつながります。

「ごはんを食べると太る」という誤解がありますが、ごはんは粒状でよく噛む必要があることから、噛む力を高めると同時に、消化時間が長く腹もちが良いため、間食の予防、肥満の予防にも効果があります。

歯を健康に保つために!

毎食後の歯磨きは欠かさず行うことが大切です。また、口内の細菌がもっとも繁殖しやすいのが睡眠中なので、とくに就寝前は時間をかけてていねいに磨く必要があります。

虫歯や歯周病など歯の病気にならない為、他にもいくつかの予防法があります。

●歯間部の清掃器具の併用

 歯ブラシだけでは、歯と歯の間の歯垢を完全に落とすことができません。この部分から歯肉の炎症が起きるケースが多いので、デンタルフロスや歯間ブラシ、洗口液などを併用すると良いです。

●定期的な検診

 歯周病の発生や進行を防ぐには、セルフケアに加え、プロによるケア、(年2~3回の定期健診や歯のクリーニング、歯石の除去など)を行うことが、とても大切です。

●口の中に合った歯磨き剤

 知覚過敏や歯周病用、フッ素配合など、薬局ではさまざまな歯磨き剤が購入できます。それぞれに特徴があるため、自分の口の中の状態に合わせ、2種類ほど併用してみて効果を確認してみると良いです。又、かかりつけの歯科医や歯科衛生士に相談してみると、よいアドバイスをくれると思います。

スポ-ツにおけるパフォーマンス力

まず、歯を噛みしめることで、筋力が4〜6%程度アップすることもあるといわれています。「たったそれだけ?」と思うかもしれませんが、アスリートにとっては、たった1%の違いでさえ、勝つか負けるかの大きな差になります。

次に、姿勢の安定効果です。試しに、首筋に手を当てたまま、ギュッと歯を噛んでみてください。首にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という筋肉などに力が入って硬くなり、首が安定することが分かりますか?

そして、体への影響だけでなく、脳の活動を促す働きも大きいのです。しっかり噛むと、認知機能をつかさどる前頭前野の血流がよくなるので、集中力と判断力が上がります。

マウスピ-スを付けるのはなぜ?

 プロ野球やボクシングなどを見ていると、マウスピ-スをつけている選手を多く見ます。パワーを最大限に発揮する為、マウスピ-スをつけていますが、今回は野球のポジション別にマウスピ-スがどのような役割を担っているのか紹介したいと思います。

(投手)
身体や頭部が常にセンターバランスで投げ込む選手は別だが、身体や頭部の傾きが行き過ぎないように踏ん張ったり、噛み込むことによって投球動作バランスを調整をする。その時マウスピースの役割は、どのポジションで噛み込むかによって、球速やコントロールのバランス調整に関連してくるパワーバランスポジションがある。
それを有効的に活用することによって、更なるパフォーマンスアップが期待できる。

(打者)
ボールをより遠くへ、強い打球をいかに打つか。これは作用反作用の法則に当てはまる。速球や、重い球質にバットが差し込まれない様にする為には、それに負けないくらいのバットスイングパワーが必要になる。
身体の力だけでなく、マウスピースを噛み込む力を利用して、更なるパワーを体を通じてバットに送り込む事が可能となる。

(野手)
野手の場合、柔軟性を求められることが多いが、送球時の踏ん張りや、コントロール性能を上げる為には、瞬間的な噛み込み(喰いしばり)が必要となり、マウスピースがその手助けとなる。

さいごに…

 このように、歯は食材をかみ砕くだけでなく脳とも密接に関係しており、様々な役割があります。名古屋オーシャン野球教室に通われている生徒さんも、最高のパフォーマンスをする為、この機会に歯の磨き方について見直してみてはいかがでしょうか。

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